敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「じゃあ遠慮なく。いただきます」
「碧人さんのお口に合うといいんですけど」

 対面に座って両手を合わせると、彼がそっとオムライスにスプーンを入れた。
 最高級の卵を贅沢に使ったため、表面は驚くほどきめ細かく、中はとろりとしたオレンジ色の層になっている。

「うまい!」

 ひとくち食べた瞬間、碧人さんの顔がパッとほころんだ。

「卵がすごくふわふわで濃厚だ。それにこのライス、鶏肉じゃなくてハムなのもいいな」
「本当ですか? よかった。高級な卵のおかげですね」

 高級食材が、私の料理の腕をいつも以上に引き上げてくれているのだと思う。
 ホッとして胸をなでおろしていると、彼は視点を変えてスープを口に運んだ。

「優しい味だ。外食だとどうしても味が濃いものばかりになるから、こういうのが一番落ち着くよ。ありがとう」

 簡単な料理を作っただけなのに、お礼を言われてちょっと気恥ずかしくなった。
 こうしておいしそうに食べてくれる彼の存在が、今の私の心に癒しを与えてくれている。

「碧人さんは、お料理しないんですか? けっこう調理道具が揃っていましたけど……」

 そう尋ねると、碧人さんは咀嚼しながら苦笑いした。

「俺、形から入るタイプでね。料理するのも楽しそうだと思って、いろいろ買ったんだけど……結局たまにしかやらなくて」
< 45 / 130 >

この作品をシェア

pagetop