敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 一日たりとも学校や習い事を休んだことはないし、テストではいつも高い点数を取っているのに……と、このときの俺は子どもだったが、理不尽だと感じていた。

「勉強をおろそかにはしません。今のまま成績が落ちなかったら、一日一時間だけゲームをさせてください」

 俺は父に対して、初めて自分の気持ちを伝えた。今思うと、まるで交換条件を出したみたいに小賢しい。
 交渉は成立。俺は自分の手で、ゲームをする権利を勝ち取ったのだ。

 ゲームの世界は楽しい。とくにRPGは、異空間に無限の可能性が広がっていて、毎日ワクワクした。
 日々のクエストがあり、イベントがある。同じゲームを好きな者同士、オンラインでつながれる。
 キャラクターやアイテムなどが細かく設定されていて、ていねいにつくり込まれている。

 気がつけば俺は、そんなゲームの世界に魅せられていた。
 誰もが寝る間も惜しんで熱中するおもしろいゲームを、俺が自分の手で世界に発信したい。大人になるにつれ、そう思うようになった。

 現在、ゲームやアニメ、漫画、音楽、映画などの知的財産コンテンツビジネスは注目されている。
 しかし京極グループにはまだ、そういった会社は名を連ねていない。だったら俺が会社を興せばいい。
 妥協せずクオリティにこだわった〝珠玉の作品〟をつくるゲーム会社を。そうすれば、父も俺を認めるだろう。
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