敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「新作のゲームの件、聞いたわ。順調みたいね」
「はい。正式発表までは他言無用でお願いします」
「わかってるわよ。今度もフルボイス化したんでしょう? うちの声優たちがいい仕事をしたって、パパが鼻高々だった」

 シャトンの社長である彼女の父親には、これまでずいぶん世話になった。
 創業当初、無名だった我が社がつくったゲームのセブエリをフルボイス化するにあたり、協力してくれたのが篠部社長だった。
 人気が出始めた若手声優を格安でキャスティングできて、どれだけ助かったかわからない。
 なにより、セブエリは必ず売れると、将来性を見込んでくれたことがうれしかった。

「情報解禁になったら、私のほうでもたくさん宣伝しておくから」
「ありがとうございます」
「それと、その敬語、なんとかならない? 私たち同い年なんだから、もっとフランクに話せばいいのに」

 冗談めかした口調で文句を言われたが、俺は苦笑いをして聞き流した。

 インフルエンサーの弘花さんにも、自身のSNSでセブエリをかなりPRしてもらった。
 その恩があるとはいえ、彼女とはビジネスライクな関係でいたい。だからこそ、きちんと線を引いておきたいのだ。

「パパがね、碧人さんのご両親とうちとで、一度食事の席を設けたいって言ってたわ」
「……六人で、ということでしょうか?」
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