敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 俺の妻を演じてほしいと伝えたところ、彼女は当然、ひどく驚いていた。
 いきなり求婚されたら、誰だってとまどうに決まっている。だが、俺は本気だった。
 説得するため、〝利害一致〟だとそれらしい理由を言ったものの、俺はすでに彼女に惹かれていたのだから。

(身勝手でごめん。でも、俺を信じてほしい)

 困っている彼女を助けたいのは本心だが、それ以上に、誰にも渡したくなかった。
 負債も、その涙も、すべて俺が引き受ける。そうしていつか、恩義や利害なんて微塵も考えられないくらい、彼女の心を俺だけでいっぱいにしたい。

 彼女の家に借金取りがやって来るのなら、そこで暮らさせるわけにはいかない。身の安全のために同居を提案し、俺のマンションで一緒に住み始めた。

「秘密基地みたいな空間だろ?」
「……夢の世界ですね」

 ゲーム部屋へ案内したら、陽咲はあれこれ見ながら瞳をキラキラとさせていた。
 そうだ、俺はこうして彼女の笑顔をずっと守っていきたいんだ。そんなふうに思う女性は、あとにも先にも陽咲だけ。

 少しでもこの結婚を前向きに考えてほしくて、セブエリのキャラクター入りの婚姻届を準備した。
 社員たちには事前に俺の結婚を伝えていたが、区役所へ提出したあと、業務連絡のように篠部社長にも報告のメールを送った。
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