敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 このあと、私はアークラディアが主催するセブエリのイベント会場に足を運んだ。
 真っ先に視界に飛び込んできたのは、プロモーション映像が流れる巨大スクリーン。
 会場には人気キャラクターに扮したコスプレイヤーたちがたくさん集まり、熱気であふれている。

「わぁ……すごい」

 思わず漏れたひとりごとも、隣を通り過ぎる人たちの興奮した話し声にかき消されてしまうほどだ。
 普段モニター越しに見ていた世界が、圧倒的な完成度で再現されていた。会場内は、ゲームのログイン画面に迷い込んだかのような演出で、ここにいる人たちが全員ワクワクしている。
 日常から切り離されたこの空間で、誰もが同じ〝好き〟を共有できているのがうれしい。その一体感に包まれて、私の頬は緩みっぱなしだ。

 キョロキョロと辺りを見回すと、限定アイテムを求める待機列ができ始めていた。
 なにが売られているのか気になったけれど、着いたらまずは碧人さんに声をかけるつもりでいたことを思い出した。
 この会場内のどこかにいるはず。おそらくスタッフが集まっているあの隅のほうだろう。視線をさまよわせて碧人さんを捜した。

(……あ、いた)

 周りにいる男性スタッフより背が高く、カッコよさが際立つ男性なんて碧人さんしかいない。
 彼のいる場所だけ、まるでスポットライトがあたっているみたいに輝いていて、思わず見惚れてしまっている自分がいた。
< 72 / 130 >

この作品をシェア

pagetop