敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「お飲み物をおうかがいいたします」

 テーブルに置かれたドリンクリストを見ても、私にはなにがなんだかさっぱりわからない。
 指を差しながらうなずいている碧人さんは、本当にすごいと思う。

「おすすめはどれですか?」
「本日は素晴らしいシャンパーニュが入っております。もし、お酒を控えめになさるようでしたら、庭で採れた果実を使ったノンアルコールのカクテルもご用意できます。いかがいたしましょうか?」

 彼が視線を送ってきたけれど、決めることができず、思わず首をかしげてしまった。

「じゃあ、私にはシャンパンを、彼女にはそのフルーツのカクテルをお願いします。それと、料理は今夜のコースで」
「承知いたしました。少々お待ちくださいませ」

 碧人さんがドリンクリストを閉じて手渡すと、男性は足音もなく静かに去っていった。

「カクテル、もし口に合わなかったら違うものを頼もう」
「すみません。ありがとうございます」

 碧人さんは口角を上げてにこりと微笑んだ。彼の振る舞いは余裕があってとても自然だけれど、私はカトラリーに映る自分の顔すら気になるくらい緊張していて落ち着かない。

「それにしても、すごく重厚な雰囲気のレストランですね」
「異国というか、ちょっとタイムスリップしたような感じが好きなんだよ」

 碧人さんと結婚しなければ、こんな素敵なお店で食事することなんて一生叶わなかった。
 私を救ってくれただけでなく、いろんな景色を見せてくれる彼には、本当に感謝しかない。
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