そーちゃんの溺愛が止まらない⁉ ~結婚しても世界一可愛い君へ、今日のご褒美ハグは無制限。~

続・第6章:数年ぶりの待ち合わせと、あの頃の石化

「じゃあお義母様、蓮くんをお願いします!」
「はーい、楽しんできてね。颯太、あんまり優愛ちゃんを困らせるんじゃないわよ?」
「分かってるってば、母さん」
週末の午前中。
5歳になった蓮くんをお義母様に預け、私たちは数年ぶりとなる『夫婦2人きりの記念日デート』に出かけることになった。
待ち合わせ場所に指定されたのは、高校生の時、何度も2人で待ち合わせた駅前の大きな時計台の下。
先に着いた私は、この日のために新調した、ほんのり透け感のあるミントグリーンのワンピースの裾をモジモジと整えながら、そーちゃんを待っていた。
う、うわぁ……。なんか、付き合いたての頃に戻ったみたいで、心臓がバクバクする……っ。
結婚して毎日一緒にいるはずなのに、外での待ち合わせというシチュエーションだけで、心の中の限界オタクが「デート前の女子高生・優愛ちゃん(概念)が蘇ったーーー!!」と大暴れしている。
「──優愛!」
聞き慣れた愛しい声に振り返ると、そこには黒のチェスターコートをさらりと羽織った、相変わらずスタイル抜群のそーちゃんが立っていた。
大人の男性の色気が増したその姿は、駅前ですれ違う人が全員振り返るほどの圧倒的な芸能人オーラを放っている。
「あ、そーちゃん、おはよ──」
「………………(完全なる石化)」
いつも通り、そーちゃんの時間がピタッと止まった。
ドラマのワンシーンのように両手で顔を覆い、そのまま駅前の案内看板の柱に頭をコツンとぶつける。
「そ、そーちゃん!? 結婚して何年経ってもその反応なの!?」
「ち、違うんだ優愛……。今日の優愛、大人の女性の品格と、昔と変わらない初々しさが奇跡の黄金比で融合してて、俺の網膜がビッグバン起こした。無理、可愛い、世界一綺麗。今すぐ回れ右して我が家に拉致監禁(※お持ち帰り)したい……」
「もう! お外なんだから恥ずかしいよっ(笑)」
真っ赤になりながらそーちゃんの手を引くと、待ってましたと言わんばかりに、そーちゃんは私の手をガシッと恋人繋ぎでロックした。
繋いだ手のひらから伝わる熱は、高校生のあの渡り廊下の時と、ちっとも変わっていなかった。
< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop