空に吹く、風の音を教えて。
ぐっと歯を食いしばった。

あの日も同じことをしていた。

唇がだんだん痛くなって来て、しばらくすると鉄の味がしてくる。

口の中に広がってやっと力を入れ過ぎていたことに気づくんだ。

私はほんと、鈍いから。

気づくのが、遅いんだ。


「風ちん!電車来てる!早く早く!」

「風花!走って!」


前を行く2人の背を目指して走る。


「2番ホーム、ドアを閉めます」

「あっ!やば…」


3、2、1…


「風ちんっ!」


光莉ちゃんの声が鼓膜を震わせて、

シナプスから信号が送られた。


…行っちゃ、ダメ。


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