空に吹く、風の音を教えて。
昊…くん。


ーー今日はありがと。またね。


既読。

数秒して、またメッセージが来て。


ーー会えて嬉しかった。

ーー今度、ちゃんと話がしたい。

ーーいつ会える?


既読をつけて、

私は閉じた。


もう、会わないよ。

壊れて止まった時計の針が2度と動かないのと一緒。

私は無理に動かしたりしない。

ずっと、このまま。

このままがいいから。


「まもなく2番ホームに電車が参ります」


電車が近づいて来て、

一度止まって。

ドアが開いて乗ってた人が降りて、

再びドアが閉まるまでに私が乗る。

閉まったドアをこじ開けたりしない。

出発したら目的地まで乗ったまま。

降りないよ。

降りないのが正解だって、

知ってるから。

何度だって

何度だって

それを繰り返す。


「…さよ、なら」


小さくそう呟いた。
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