空に吹く、風の音を教えて。
7.新たなる、始まり
クリスマスを超えれば、あっという間に大晦日となった。

今日は地元の神社に、私、光莉ちゃん、昊くん、月雲くんの4人が集まっている。

ちなみに光莉ちゃんと月雲くんは光莉ちゃんが思い切ってクリスマスに告白をさせ、2人はカップルになった。

ラブラブの2人を邪魔しては悪いから、自然と私と昊くんは2人から離れ、それぞれで参拝の列に並んだ。


「今、3分前。てことはもう紅白終わったんだね」

「たぶんうちは紅白見ないでお笑いの方見てたと思う。颯太は音楽好きだから見たがるんだけど今はお察しの通り傷心モードだから自室にこもってると思うし」

「そっか…。だいぶ好きだったもんね、倉石さんのこと」

「俺様がみつりんを幸せにするって息巻いてたのに。姉としてはちょっと可哀想な気もするけど、どう考えても同い年で賢くて優しい月雲くんの方が良いに決まってるからしょうがないとは思う」

「まぁ、理世がハイスペなのは否定しないけどね。でもあんな感じだけどこだわり強いし、推し活?とかしてるし結構面倒なところもあるけどなぁ」

「大丈夫。光莉ちゃんもオタクだから」

「あ、そっか」


なんて2人の話をしていたら、ゴーンゴーンと鐘が鳴り出した。


「あっ!」

「年越したんだ…」


私と昊くんはどちらからともなく、顔を見合わせて


「あけましておめでとう」


そう言った。


「今年の抱負、言ってもいい?」

「うん。どうぞ」

「今年は、去年よりもほずみんと一緒にいられるように努力する。あとは、大学受験頑張る」

「だ、大学受験より私の方が…」

「大事だよ。勉強は自分の努力だけでなんとかなるけど人の心は簡単には動かせないから。ましてや、好きな人の心、なんて…。って、新年早々何言ってるんだろ、俺…」


昊くんは耳まで真っ赤にして俯いた。

さっきまで寒いって一言も言ってなかったから、きっとそういうことだよね?

なんか、こっちまで恥ずかしくなって来た。

違う話題ないかなぁって考えても頭が真っ白になって何も思いつかない。


「そ、そうだ。ほずみんは?今年の目標とかないの?」

「わ、私は…」


一生懸命頭を捻る。


「今年こそ、ちゃんと昊くんに返事出来るように、自分が納得いく答えを出す。あとは…進路かな。まだ大学に行くか専門にするか迷ってるから、オープンキャンパスに積極的に行って自分が進みたい方向を見定める。って感じかな」

「ほずみんも俺の方が大事ってこと?」

「ぷっ、プライベートの問題はメンタルに直結するから。メンタルが崩れると全部崩れるし。だから…最優先事項で…」

「…こんなこというの、おかしいかもしれないんだけど。その…お互いがお互いを思いやってるってことはさ、もう…」


昊くんが何か言いかけた時、ちょうど私たちの番になった。

意外に列が進むのが早かった。

私は慌てて財布から5円玉を取り出し、賽銭箱に投げ入れた。

そして二例二拍手一礼し、お願い事をする。

私の願い事は…

自分の好きなこと、モノ、人を大切に出来る1年になりますように。



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