紫陽花の短編集物語#5

運命の恋はいつも最後に

運命の恋はいつも最後に① 恋はもうこりごり
放課後・教室
莉子「……もう恋とか、しばらくいいや」
真帆「それ、何回目?」
莉子「今回は本気」
(少し離れた場所)
湊「……」
湊(心の中)「やっと、終わったんだな」
莉子が帰り支度をする
湊「一緒に帰る?」
莉子「え、あ…うん」
莉子(心の中)「幼馴染と帰るだけなのに、なんでこんなに楽なんだろ」


運命の恋はいつも最後に② 変わらない距離
通学路
莉子「湊ってさ、昔から変わらないよね」
湊「そう?」
莉子「うん。安心する」
湊「……それ、嬉しい」
莉子「え?」
湊「いや、なんでもない」
莉子(心の中)「恋じゃないのに、落ち着くのはずるい」


運命の恋はいつも最後に③ 優しさの正体
放課後・コンビニ前
莉子「これ、ありがとう」
湊「莉子が好きそうだったから」
莉子「私のこと、よく知ってるね」
湊「……付き合い、長いから」
莉子「?」
湊「幼馴染だし」
莉子(心の中)「それだけ、なのかな」


運命の恋はいつも最後に④ 追われる側
夕方・公園
湊「莉子」
莉子「なに?」
湊「俺さ……」
湊「ずっと、好きだった」
莉子「……え?」
湊「答えなくていいよ。まだ」
莉子「………」
湊「ただ、伝えたかった」
莉子「……ごめん、今は」
湊「うん、分かってる」
莉子(心の中)「好きって言われるの、こんなに怖いなんて」


運命の恋はいつも最後に⑤ 逃げたくなる気持ち
昼休み
真帆「湊くん、相当一途だよ」
莉子「……知ってる」
真帆「じゃあなんで避けてるの?」
莉子「また、勘違いしたら怖いから」
真帆「今回は違うと思うけどな~」
莉子「………」


運命の恋はいつも最後に⑥ ずっと前から
放課後・雨
湊「これ、貸して」
莉子「ありがとう」
湊「小学生の時も、同じことしてた」
莉子「覚えてるの?」
湊「全部」
湊「莉子が誰かを好きになるたび、言えなかった」
莉子「……私、何も知らなかった」


運命の恋はいつも最後に⑦ 選ぶ勇気
夜・自室
莉子(心の中)「追いかけてばかりだった私が今は、選ぶ側にいる」
メッセージ画面
莉子:明日、話せる?
既読
湊:もちろん
莉子(心の声)「もう、勘違いして、傷つきたくない。
でも、湊ならずっと一緒に居たから、勘違いしない気がする。真帆の言っていた通りだ。
湊なら信じても大丈夫、きっと」







運命の恋はいつも最後に≪最終話≫ 運命の恋はいつも最後に
夕方・いつもの帰り道
莉子「湊」
湊「うん」
莉子「私ね、怖かった」
莉子「でも……一緒にいると、ちゃんと笑える」
湊「……」
莉子「今度は、私から言わせて。湊が好きです、大好きです!」
湊「……やっとだ。ずっと前から待ってた、その言葉」
(少し照れて笑う)
莉子(心の中)「運命の恋は、いつも最後に来る」
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