【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~
そしてソファに座ると
「ここ座れ」
そう言って指差すのは、春琉くんの足と足の間…。
そ、それはちょっと恥ずかしいような…
と、戸惑っていると優しく手を引くと私を足の間に座らせた。
出会った時は足の間ではなかったけど…こうやって優しく手を引いてソファに座らせて私のびしょ濡れの髪の毛を乾かしてくれたっけ…。
すると、春琉くんはドライヤーを持ってきてカチッとスイッチを入れると温かい風と春琉くんの大きくて優しい手が私の濡れた髪を優しく揺らす。
「……出会った頃を思い出すな…あの日拾った時もボロボロで…風呂から上がったら髪の毛びしょ濡れで……俺にこうやって髪の毛乾かされて…変わんねぇな…」
ドライヤーの音に消されそうな低くて心地いい春琉くんの声。
髪をすくう彼の大きな指先が驚くほど優しくて、さっきまで落ち込んでいた私の心が温かいぬくもりで満たされていく。