【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~
──────────────……

春琉side


「……チッ。クソ……」


行く宛てもなくただ街の中をイライラしながら歩く。
頭の中にあるのはさっき涙を流して深く俯いてしまった澪の顔がずっとチラつく。
あんな言葉、言うつもりじゃなかった。


ただ、一瞬目を離した隙に澪が泣かされてて…なのに俺は女への嫌悪感が酷くて自分の事に必死で気づきもしねぇで…クソッ…。


響也が先に気づいて澪を助けてたことにも俺は情けなさと嫉妬で爆発してしまった…。


完全な八つ当たりだ。


澪を絶対最初に助けるのは…俺でありたかった…。


最悪だ…。自分の勝手なワガママで澪を守れなかった挙句、八つ当たりして傷つけて泣かせて…。

< 210 / 307 >

この作品をシェア

pagetop