終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
「しほっ、おい、志穂っ起きろ」
「んぅ……?」
軽く揺さぶられて、重たいまぶたを開ける。
「ぁ…やとぉ…?」
目の前には綾人の顔。
いつの間にか、これにも慣れてしまった。
最初は同じベッドで寝るなんて絶対無理だと思っていたのに。
『なに?意識してんの?』
『べつにっ!でも何か……』
『へぇ。一緒に寝るフリは、さすがの志穂にもできねぇか』
『はぁ?できるわよっ!自意識過剰じゃないの?!』
——結果。
あたしはまんまと挑発に乗った。
ただ、最初の数日は眠れなくて、綾人が寝返りを打つたびに心臓が飛び跳ねていた。
それなのに今では、隣に綾人がいる朝の方が自然になっている。
「寝ぼけてねぇで、支度しろ」
「んー……」
重たい身体を起こした時だった。
左足首で何かがきらりと光る。
「……あれ?」
見覚えのないシルバーのアンクレット。
一粒の小さな輝石が朝日に反射している。
「綾人、これ……」
「気づいたか」
「いつ付けたの?」
「寝てる間」
「え?!怖っ!!」
あたしの抗議なんて、意にも介さないようで。
綾人が、そっとアンクレットをすくいあげる。
「起きてる時につけたら逃げるだろ。迷子防止」
「犬じゃないわよ!」
「どうだかな。外すなよ」
「なんで?」
「なくしたら面倒だから」
そう言うくせに、綾人の視線は一度も足首から離れない。
(なによこれ……でも、きれい……)
あたしは足首の輝きを視線でなぞる。
外せと言われても、たぶん今は外せない。
綾人は満足したように立ち上がった。
(何なのよ、綾人のやつ……)
贈り主の代わりに、輝石が返事したようにキラリと輝いた。
「んぅ……?」
軽く揺さぶられて、重たいまぶたを開ける。
「ぁ…やとぉ…?」
目の前には綾人の顔。
いつの間にか、これにも慣れてしまった。
最初は同じベッドで寝るなんて絶対無理だと思っていたのに。
『なに?意識してんの?』
『べつにっ!でも何か……』
『へぇ。一緒に寝るフリは、さすがの志穂にもできねぇか』
『はぁ?できるわよっ!自意識過剰じゃないの?!』
——結果。
あたしはまんまと挑発に乗った。
ただ、最初の数日は眠れなくて、綾人が寝返りを打つたびに心臓が飛び跳ねていた。
それなのに今では、隣に綾人がいる朝の方が自然になっている。
「寝ぼけてねぇで、支度しろ」
「んー……」
重たい身体を起こした時だった。
左足首で何かがきらりと光る。
「……あれ?」
見覚えのないシルバーのアンクレット。
一粒の小さな輝石が朝日に反射している。
「綾人、これ……」
「気づいたか」
「いつ付けたの?」
「寝てる間」
「え?!怖っ!!」
あたしの抗議なんて、意にも介さないようで。
綾人が、そっとアンクレットをすくいあげる。
「起きてる時につけたら逃げるだろ。迷子防止」
「犬じゃないわよ!」
「どうだかな。外すなよ」
「なんで?」
「なくしたら面倒だから」
そう言うくせに、綾人の視線は一度も足首から離れない。
(なによこれ……でも、きれい……)
あたしは足首の輝きを視線でなぞる。
外せと言われても、たぶん今は外せない。
綾人は満足したように立ち上がった。
(何なのよ、綾人のやつ……)
贈り主の代わりに、輝石が返事したようにキラリと輝いた。