終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
「っ?!」

文字通り飛び起きて、辺りを見渡す。

「え?……たしか、ソファにいたはず……」

隣には、ほのかに残るぬくもり。
まさか……。

あたしは急いでリビングに行く。

「綾人っ?!」         
   
思わず名前を呼んでいた。
でも姿はなくて、代わりに昨日までなかった朝食が置いてある。
恐る恐る冷蔵庫を開けると、アイスのミルクティー。 

「……綾人の味」
 
昨日まで重たかった胸の奥が、少しだけ軽くなる。
それがミルクティーのおかげなのか。
それとも——。
 
「……ばか」
 
小さく呟いて、もう一口飲んだ。
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