終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
朝一番にワタセホテル新規事業の企画書を、大垣さんと九条さんにメール送信した。
すると、外回り中の九条さんから連絡があり、少し打ち合わせたいということで、会社近くのカフェにやって来た。
「BAR×こたつ×おでん。それに推し活も……なるほど。なかなか面白い着眼点ですね」
「正直、海外のお客様向け……ではないのですが」
「いえ、日本のサブカルチャーは人気ですからね。私は良いと思います。この方向で進めましょう」
九条サイドから修正は入ったものの、大きなリテイクはない。
あとはワタセホテルサイドからの返答待ちになるが、ひとまず胸を撫で下ろす。
ようやく注文していたミルクティーに口をつけた。
なぜか九条さんの視線が、ティーカップから動かない。
「……だからなのね」
「え?」
「そういえば綾人さん」
九条さんの口からその名を聞いて、心臓が嫌に跳ねる。
「携帯壊したそうですよ」
「えっ?」
「私も連絡が取れず困りました」
「……そう……ですよね」
「ミルクティー淹れたときなんですって」
「へぇ……」
(なんで九条さんは知ってるの)
(ていうか、九条さんには連絡してたんだ……ふぅん……)
(あたしには、何もしてこなかったのにっ)
イライラする気持ちが、奥底からわいてくる。
あたしはそれを、とびきりの営業スマイルでひた隠しにした。
すると、外回り中の九条さんから連絡があり、少し打ち合わせたいということで、会社近くのカフェにやって来た。
「BAR×こたつ×おでん。それに推し活も……なるほど。なかなか面白い着眼点ですね」
「正直、海外のお客様向け……ではないのですが」
「いえ、日本のサブカルチャーは人気ですからね。私は良いと思います。この方向で進めましょう」
九条サイドから修正は入ったものの、大きなリテイクはない。
あとはワタセホテルサイドからの返答待ちになるが、ひとまず胸を撫で下ろす。
ようやく注文していたミルクティーに口をつけた。
なぜか九条さんの視線が、ティーカップから動かない。
「……だからなのね」
「え?」
「そういえば綾人さん」
九条さんの口からその名を聞いて、心臓が嫌に跳ねる。
「携帯壊したそうですよ」
「えっ?」
「私も連絡が取れず困りました」
「……そう……ですよね」
「ミルクティー淹れたときなんですって」
「へぇ……」
(なんで九条さんは知ってるの)
(ていうか、九条さんには連絡してたんだ……ふぅん……)
(あたしには、何もしてこなかったのにっ)
イライラする気持ちが、奥底からわいてくる。
あたしはそれを、とびきりの営業スマイルでひた隠しにした。