終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
数日後。
改めて、ワタセホテルの一室で打ち合わせが始まった。
追加メンバーの顔合わせも含めてになる。
弊社からは、あたしと後輩の鮫島。
九条サイドからは、九条さんと轟さん。
ワタセホテルからは、大垣さんと……綾人。
議論は白熱し、一度休憩を挟むことになった。
出るタイミングを逃して、部屋に残っているのは、綾人と九条さん。
……なんとなく居心地が悪い。
綾人がコーヒーを飲みながら、スマホを触っている。
それを目ざとく指差す九条さん。
「あら、携帯は新しくなったんですね」
「まぁな」
「ミルクティーに落としたんですよね」
「えぇ。呆れました」
九条さんから教えてもらった情報だ。
確かめるように、綾人を見る。
「事故だ」
「普通は落ちません。ね、藤原さん」
急に名前を呼ばれて、一瞬、反応が遅れた。
「はい?」
「あなた、怒っていましたよね」
「えっ」
「私に」
「そ、そんなことありません」
「携帯が壊れたことを私が知っていて、あなたが知らなかったから」
「なっ!」
九条さんは、足を組みながら優雅にコーヒーを飲んでいる。
でも、次の瞬間、しれっと爆弾を落としてきた。
「それは嫉妬ですね」
「ちがっ!」
あたしは慌てて否定するも、綾人がポンポンと頭を叩く。
それを静かに、感情の読めない顔で見る九条さん。
「もういいですっ!」
「拗ねんな」
「そうですか」
ニヤニヤしている綾人と、呆れているみたいな九条さん。
居たたまれなくなったあたしは、そっぽ向いてミルクティーを飲む。
この場に、鮫島がいないのがせめてもの救いだった。
改めて、ワタセホテルの一室で打ち合わせが始まった。
追加メンバーの顔合わせも含めてになる。
弊社からは、あたしと後輩の鮫島。
九条サイドからは、九条さんと轟さん。
ワタセホテルからは、大垣さんと……綾人。
議論は白熱し、一度休憩を挟むことになった。
出るタイミングを逃して、部屋に残っているのは、綾人と九条さん。
……なんとなく居心地が悪い。
綾人がコーヒーを飲みながら、スマホを触っている。
それを目ざとく指差す九条さん。
「あら、携帯は新しくなったんですね」
「まぁな」
「ミルクティーに落としたんですよね」
「えぇ。呆れました」
九条さんから教えてもらった情報だ。
確かめるように、綾人を見る。
「事故だ」
「普通は落ちません。ね、藤原さん」
急に名前を呼ばれて、一瞬、反応が遅れた。
「はい?」
「あなた、怒っていましたよね」
「えっ」
「私に」
「そ、そんなことありません」
「携帯が壊れたことを私が知っていて、あなたが知らなかったから」
「なっ!」
九条さんは、足を組みながら優雅にコーヒーを飲んでいる。
でも、次の瞬間、しれっと爆弾を落としてきた。
「それは嫉妬ですね」
「ちがっ!」
あたしは慌てて否定するも、綾人がポンポンと頭を叩く。
それを静かに、感情の読めない顔で見る九条さん。
「もういいですっ!」
「拗ねんな」
「そうですか」
ニヤニヤしている綾人と、呆れているみたいな九条さん。
居たたまれなくなったあたしは、そっぽ向いてミルクティーを飲む。
この場に、鮫島がいないのがせめてもの救いだった。