終電を逃した夜、鑑賞用の王子様は婚約者にした私を離さない
帰社した後、すぐに鮫島と打ち合わせブースに入った。
撮ってきた写真や撮影用の小物などを確認していく。 
あたしより詳しい鮫島が、SNS担当になっていた。
 
「先輩、この写真アップしていいですか?」
「まだ企画途中だからダメよ」
「あーっ!これ素敵じゃないですかっ」

鮫島が指摘したのは、廊下を歩くあたしと綾人の後ろ姿。
と、同じ構図で、顔を見合わせて笑っているもの。 

「連写モードでたくさん撮ったからね。顔出しはNGだから扱いに気をつけてね」
「了解ですっ!良い写真が多すぎて選ぶのが大変ですね」
「あたしはフライヤーと特設サイトを制作部に依頼してくるから」

鮫島に後を任せ、あたしは制作部に足を運ぶ。
すると綾人から「帰りにビーナスベルト集合」と連絡が届いた。

(よしっ……もうひと踏ん張りしますかっ)

仕事のご褒美が待っている。
それだけであたしは足取りは軽やかだった。
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