WATCH.
式場へ入り、待合の椅子に座る。茅ヶ崎くんの繋がりの営業部が多く見えたけれど、佐野はわたしの隣から動こうとしない。
「行かなくて良いの?」
「会社で嫌でも顔合わせんのに?」
「いや、わたしとだって同じでしょう」
呆れて笑うと、佐野が何か言いたげに口を開いては閉じる。
わたしは膝に頬杖をついて佐野を見る。腕時計が腕の真ん中まで下がった。
「佐野の好きな人ってどんなひと?」
「何で」
「新しく出来たんでしょ、好きな人。もしかして取引先?」
「いや、違う」
短く返されて、佐野は明後日の方向を向いてしまった。