WATCH.
「それ以外に誰がいんの」
佐野が優しく笑っている。
つまみのビーフジャーキーとレモンサワーを買って、近くの公園へ歩いた。流石に遊んでいる子供は居ない。
ベンチに座り、二度目の乾杯をして喉を潤す。美味しい。
そこで視界に入った腕時計。忘れてた、返さないと。
「佐野。忘れないうちに時計返す」
先程やんわりと流されてしまった言葉を繰り返す。
「今何時?」
「えーとね、8時42分。あ、予定あるんだっけ」
今更思い出して佐野を見る。同じようにこちらを見ていた。視線が交わる。