WATCH.
すぐそこの蛾の集まっている街灯に照らされているベンチとわたしたち。
「ごめん、誘わせて」
スポットライトとは思えないのは、わたしが主人公じゃないからだ。
「いや、意味のわからん謝罪すんなよ。こっちが誘って連れてきてんのに」
「予定まだ間に合う? あとこれ返す」
「まだ着けてて。予定はこれ、与会と飲むこと」
そう言われて、ハッと気付いてしまった。もう飲みに行かないと決めていたのに。
自分の意志の弱さに辟易とする。
佐野がわたしの腕時計ごと腕を掴む。文字盤を見つめていた。