WATCH.
不意に視線がぶつかり、瞬く。
「え、なに?」
「……あのさ」
徐に佐野が口を開き、何かを言おうとする。
まさか、涎とか。言われる前に口元を拭ってみる。
「何してんの」
「涎かなって」
「……与会サンって本当」
「あ、ハイ」
「色気ねーな」
ぐさーっと刺さる言葉を頂きました。
もしも私が家畜で今から炭火で焼けたなら、美味しいハツとして提供できるだろう。
刺さった言葉が抜けないまま駅に来てしまった。
「じゃあ」
改札前まで来た佐野に、同じ言葉を返す。鞄からICカードを取り出した。
改札を通ろうと一歩踏み出したところで、後ろから手首を掴まれた。