カフェオレでも飲みながら
9.伊織宅
文芸クラブが終わり、私は帰り支度をした。
今日は伊織のクラブの方が遅く終わっていた。
共通スペースまで歩くと、学校の記念品を展示するケースの前の廊下に、道着の一団がある。
まだ着替える前だった。
「朝田さん」
道着のまま、伊織が私のところへ来た。
「もう終わったの?」
「うん」
伊織はすぐ着替えるから、と言ってちょっと微妙な顔をした。
男子はその場で着替えをするのだった。
私は慌てて下駄箱で待ってると言って立ち去った。
しばらくしてからパーカーを着た伊織が現れた。
「できるだけ早く来たんだけど、待った?」
「ううん」
「帰ろう」
外はもう暗く、廊下の明かりだけ光って見える。
「朝田さんは、家帰ってもう寝る?」
歩きながら伊織が聞いた。
「うん、お風呂入ってから」
「今日親が揃ってるから、遊びにこない?。夕飯食べていきなよ」
「いいの?」
「うん。是非。今日は親に言っといたんだ」