春は眩しくて、届かない
——水瀬のこと、前から気になってる。
柏木くんの声を思い出す。
胸はまだ痛む。 思い出すだけで、ちゃんと苦しい。
でも同時に、 別の気持ちも胸の中に残っていた。
りのん。
「ひなの恋、応援したい」
笑って言ってくれた声。
本当は苦しかったはずなのに、 ちゃんと背中を押してくれた。
陽奈は布団をぎゅっと掴む。
「……私も」
小さく呟く。
「りのんのこと、応援しなきゃ」
その言葉を口にした瞬間、 胸の奥が少しだけ痛んだ。
でも、不思議と嫌な痛みじゃなかった。