春は眩しくて、届かない


今日、
「会いたかった」って言われた瞬間、
泣きそうなくらい嬉しかった。


それなのに。


“りのんの恋を応援しなきゃ”って思うたび、
なぜか少しだけ苦しい。


でも同時にりのんの笑顔がみたいと思った。


陽奈は枕に顔を埋める。



「……だめだ、考えすぎ」



そう呟きながら目を閉じる。


けれど最後に浮かんだのは、
柏木くんじゃなくて。


夕暮れの玄関先で、
泣きそうに笑っていたりのんの顔だった。


< 131 / 264 >

この作品をシェア

pagetop