春は眩しくて、届かない
今日、 「会いたかった」って言われた瞬間、 泣きそうなくらい嬉しかった。
それなのに。
“りのんの恋を応援しなきゃ”って思うたび、 なぜか少しだけ苦しい。
でも同時にりのんの笑顔がみたいと思った。
陽奈は枕に顔を埋める。
「……だめだ、考えすぎ」
そう呟きながら目を閉じる。
けれど最後に浮かんだのは、 柏木くんじゃなくて。
夕暮れの玄関先で、 泣きそうに笑っていたりのんの顔だった。