春は眩しくて、届かない


朝のホームルーム前。


水瀬の教室にはまだ人が少なくて、
窓から入る風がプリントを揺らしていた。


母親としっかり話せたことを伝えると



「よかった」



そう笑った水瀬から、
湊はなぜか目を逸らせなかった。


胸の奥が、
妙に落ち着かない。


言いたいことは、
もう伝えたはずなのに。


それでも、
まだ足りない気がした。


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