春は眩しくて、届かない
-Spring-

私の大好きな親友




春の日差しが差し込んだ朝。


ぴこん、と通知が鳴った。


まだ少し眠いまま画面を見ると、そこには見慣れた名前があった。


わたしの大好きな親友



――鈴野陽奈。




「おはよ!クラス替え楽しみ!いつものとこから一緒にいこー!!」




その文字を見た瞬間、思わず小さく笑ってしまう。


本当に明るくて、まっすぐで、何でも楽しみに変えてしまう。


そんなところが、昔からずっと好きだった。


私は画面に短く返事を打つ。



「楽しみだね!また後で」



送信ボタンを押して、学校に行く準備を始める。


鏡の前で髪を結びながら、ふと思う。


クラス替え、陽奈と離れませんように。


そんなことを願うのは、きっと私だけじゃない。


そう思いながら、玄関のドアを開けた。


春の風は少しだけ冷たかった。



< 2 / 264 >

この作品をシェア

pagetop