春は眩しくて、届かない
笑いながら、 陽奈はそっと思う。
あの日、 失恋で終わったはずだった冬は。
ちゃんと、 今のこの時間へ繋がっていたんだって。
『ちゃんと幸せになってほしい』
その言葉が、 胸の奥へじんわり広がる。
布団をぎゅっと掴いた。
「……ありがと」
小さな声。
すると陽奈は、 少し照れたみたいに笑う。
『でも条件ある』
「え」
『付き合えたら最初に報告』
「気が早い」
『あとデート内容全部聞く』
「やだ」
『えー!?』
ふたりで笑う。
でも笑いながら、 少しだけ目を閉じた。