春は眩しくて、届かない


陽奈が好きだった人を、
自分も好きになること。


幸せになっていくほど、
どこか後ろめたかった。


でも陽奈は、
そんなわたしの気持ちを見透かしたみたいに笑う。



『ねぇりのん』



「……なに」



『わたしさ』



少しだけ間が空く。



『今、
りのんが幸せそうだと嬉しいよ』



その一言が、
胸の奥へまっすぐ落ちる。


わたしの目が熱くなる。



「……ひなぁ」



『なに泣きそうになってんの』



「だって……」



声が少し掠れる。


陽奈は照れ隠しみたいに笑った。



『あと、
柏木くん見る時のりのん、
ほんとかわいいから』



「やめて」



『えへへ』



ふたりで笑う。


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