春は眩しくて、届かない
「なんか、結構、」
「……救われた」
その言葉に、 わたしの目が揺れる。
柏木くんは照れ隠しみたいに笑った。
「だから、 高校で水瀬見つけた時」
少しだけ目を細める。
「また会えたって、思った」
しばらく言葉が出なかった。
胸の奥が、 じんわり熱い。
春の公園。 ホットココア。
自分は“たまたま”だと思っていた出来事を、 柏木くんはずっと覚えていた。
それが嬉しくて、 恥ずかしくて、 胸がいっぱいになる。