春は眩しくて、届かない
春は眩しくて、届かない
終業式が終わって、 少しだけ静かになった校舎。
わたしは教室で帰る準備をしながら、 窓の外をぼんやり眺めていた。
2年生が終わった。
色んなことがあった一年だった。
好きになるのが怖くて、 でも嬉しくて、 苦しくて。
気づけば、 隣には湊くんがいた。
その時。
教室の後ろのドアが開く。
「りのん」
聞き慣れた声に、 振り返った。
そこには、 当たり前みたいな顔をした湊くんが立っていた。
一瞬で教室がざわつく。