春は眩しくて、届かない
「来た……」
「ほんとに迎え来た……」
でも湊くんは気にせず、 机まで歩いてくる。
「帰ろ」
その一言だけで、 胸があたたかくなる。
少し照れながら鞄を持った。
「……うん」
教室を出て陽奈の教室を通ったとき。
「りのん!」
陽奈が後ろから手を振る。
「また春休み連絡してね!」
「もちろん!」
その笑顔を見て、 陽奈も笑う。
少しだけ寂しくて、 でも、 ちゃんと嬉しい笑顔だった。