春は眩しくて、届かない



——陽奈らしいな。



まっすぐで、
明るくて、
誰かを好きになるとちゃんと顔に出る。


柏木くんも、
そんな陽奈といる時は少し楽しそうだった。


並んでいるところを想像すると、
すごく自然で。


きっと、
お似合いなんだと思う。


陽奈は人気者で、
みんなの中心にいて。


柏木くんも、
みんなが見てしまうような人で。


眩しいもの同士。


そう思うのに、
胸の奥だけが少し苦しかった。


応援したいはずなのに。


陽奈が幸せなら、
それでいいって思ってるはずなのに。



「……なんでだろ」



小さく呟いた声は、
誰にも届かないまま廊下に消える。



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