春は眩しくて、届かない
——もし、陽奈が恋をしたら。
ふと、 そんな考えが頭をよぎる。
放課後一緒に帰る時間も。 中庭でお昼を食べることも。 くだらない話で笑うことも。
少しずつ、 変わっていくのかな。
「……なくなっちゃうのかな」
小さく零れた声は、 夕暮れの廊下に静かに溶けていく。
私たちの“いつも”。
ずっと当たり前だと思っていた時間。
でも本当は、 ずっと同じままなんてないのかもしれない。