財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
フードコートへ到着して十分後。

俺たちはある結論に達していた。

六花に一人で注文させるのは無理だ。

最初は社会勉強のつもりだった。

自分で店を選んで。

自分で注文して。

自分で会計して。

自分で料理を運ぶ。

普通の人間なら何の問題もない。

しかし。

「私、自分で現金を使った経験があんまりなくて……。いつもお兄様がカードで済ませてくださいますので。」

とか。

「席は予約しなくてもよろしいのですか?」

とか。

「お料理を持ったまま歩くんですか?」

とか。

本気で聞いてくる。

冗談ではない。

全部本気だ。

翼も途中から頭を抱えていた。

「こいつ本当に十五年間どうやって生きてきたんだ」

俺も知りたい。

< 50 / 184 >

この作品をシェア

pagetop