【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
俺がこの話を父から聞かされたのは中1の時だった。旦那様の書斎から頬を真っ赤に腫らした六花が泣きながら出て来た日の夜、俺は屋敷の執事長である父に、「どうして旦那様はいつも六花を悲しませるんだ!!」と、旦那様への怒りをそのままぶつけた。
すると、父はお前には知っておいて欲しい、と、絶対に六花には伝えないことを俺に約束させてから硬い口を開いたのだ。
話を聞いて、俺は六花はなんて可哀想なやつなんだ、と、思った。だって、六花自身に何も非はないのに、奥様からは見捨てられ、旦那様からは忌み嫌われ、親からの愛というものを受けたことがほとんどない。
それに六花は、自分を忌み嫌う旦那様からの言いつけを健気に守っている。
登下校は寄り道なし。
友達と遊ぶなら事前に予定を伝える。もちろんその友達は上級国民の子息でないと却下。
他にもいろいろと厳しすぎる言いつけ。
きっと、頑張れば旦那様に褒めてもらえると信じているから。
でも現実は残酷だ。父によると、旦那様は、六花を政略結婚の駒としてしか見ていないらしい。その大事な駒に何かあったらいけないから、六花の気持ちなど微塵も考えずに行動をいろいろと制限し、より価値の高い「花嫁」にするために放課後には過密な習い事のスケジュールを押し付けるのだ。
だからこそ。
だからこそ。
六花には紫苑様や玲央様からの過重なほどの愛が必要だと俺は思っているし、政略結婚の相手は六花のことを心から愛して大切にしてくれる人で、六花も心から愛せる人であって欲しいと思っている。
六花には幸せな人生を歩んで欲しい。
でも、こんなことを思いながらも俺の心は鎮まらないみたいだ。
俺がどこかの御曹司だったら、絶対に六花を幸せにするのになー。
なんて、執事の分際で一番考えてはいけないことを考えている。
だからこの夏休み、電話をするたびに六花が、「今日は蓮くんがね、……」などと嬉しそうに話すのを聞いて、旦那様からのお説教はなさそうだと安心しつつ、胸がギュッと締め付けられる。
あー、何やってんだろ、俺。
【side 優斗 fin 】
すると、父はお前には知っておいて欲しい、と、絶対に六花には伝えないことを俺に約束させてから硬い口を開いたのだ。
話を聞いて、俺は六花はなんて可哀想なやつなんだ、と、思った。だって、六花自身に何も非はないのに、奥様からは見捨てられ、旦那様からは忌み嫌われ、親からの愛というものを受けたことがほとんどない。
それに六花は、自分を忌み嫌う旦那様からの言いつけを健気に守っている。
登下校は寄り道なし。
友達と遊ぶなら事前に予定を伝える。もちろんその友達は上級国民の子息でないと却下。
他にもいろいろと厳しすぎる言いつけ。
きっと、頑張れば旦那様に褒めてもらえると信じているから。
でも現実は残酷だ。父によると、旦那様は、六花を政略結婚の駒としてしか見ていないらしい。その大事な駒に何かあったらいけないから、六花の気持ちなど微塵も考えずに行動をいろいろと制限し、より価値の高い「花嫁」にするために放課後には過密な習い事のスケジュールを押し付けるのだ。
だからこそ。
だからこそ。
六花には紫苑様や玲央様からの過重なほどの愛が必要だと俺は思っているし、政略結婚の相手は六花のことを心から愛して大切にしてくれる人で、六花も心から愛せる人であって欲しいと思っている。
六花には幸せな人生を歩んで欲しい。
でも、こんなことを思いながらも俺の心は鎮まらないみたいだ。
俺がどこかの御曹司だったら、絶対に六花を幸せにするのになー。
なんて、執事の分際で一番考えてはいけないことを考えている。
だからこの夏休み、電話をするたびに六花が、「今日は蓮くんがね、……」などと嬉しそうに話すのを聞いて、旦那様からのお説教はなさそうだと安心しつつ、胸がギュッと締め付けられる。
あー、何やってんだろ、俺。
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