【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
朱雀の総長は、怯えて声も出せなくなっている私を見下ろしながら、まるで面白い玩具でも見つけたかのように口元を歪めると、私の手首を掴んだまま乱闘が続く場所へとずかずか歩いていった。
私は引きずられるようについていくしかなく、下駄の鼻緒が擦れて痛いことすら気にならないほど恐怖で頭がいっぱいになっていて、ただ転ばないように必死に足を動かすことしかできなかった。
やがて男は地面に落ちていたメガホンを拾い上げる。
そして。
大きく息を吸い込んだ。
「おい!!」
その怒鳴り声は、祭り囃子がかすかに聞こえる夜空の下に響き渡った。
「道明寺翼!!」
次の瞬間。
それまで怒号と悲鳴で満ちていた空間の空気が変わる。
「お前らの女がどうなっても良いのか!!」
私は思わず肩を震わせた。
「お前達が降伏してここらの縄張りを手放さないんなら、この女、俺らで遊び尽くすけど?」
その言葉を聞いた瞬間。
殴り合いをしていた男たちの動きが、目に見えて鈍った。
【side 翼】
タバコでしゃがれた声でアイツが俺の名前を叫んでいるのを聞いて、俺は反射的に振り返った。
その時の俺は、朱雀のメンバー三人を相手に立ち回っている最中だった。
右から飛んできた拳を避ける。
左から突っ込んできた男の腹に膝を叩き込む。
さらにもう一人の肩を掴み、そのまま地面へ叩きつける。
「お前らの女がどうなっても良いのか!!」
女?そんなのつくったことない。けれど、脳裏に思い浮かぶのは1人の女の笑顔。
嫌な予感が背筋を駆け上がった。
俺は目の前の男の腹を蹴り飛ばした。
男は数メートル吹き飛び、地面を転がる。
そして俺は声のした方を見た。
見た瞬間。
呼吸が止まった。
私は引きずられるようについていくしかなく、下駄の鼻緒が擦れて痛いことすら気にならないほど恐怖で頭がいっぱいになっていて、ただ転ばないように必死に足を動かすことしかできなかった。
やがて男は地面に落ちていたメガホンを拾い上げる。
そして。
大きく息を吸い込んだ。
「おい!!」
その怒鳴り声は、祭り囃子がかすかに聞こえる夜空の下に響き渡った。
「道明寺翼!!」
次の瞬間。
それまで怒号と悲鳴で満ちていた空間の空気が変わる。
「お前らの女がどうなっても良いのか!!」
私は思わず肩を震わせた。
「お前達が降伏してここらの縄張りを手放さないんなら、この女、俺らで遊び尽くすけど?」
その言葉を聞いた瞬間。
殴り合いをしていた男たちの動きが、目に見えて鈍った。
【side 翼】
タバコでしゃがれた声でアイツが俺の名前を叫んでいるのを聞いて、俺は反射的に振り返った。
その時の俺は、朱雀のメンバー三人を相手に立ち回っている最中だった。
右から飛んできた拳を避ける。
左から突っ込んできた男の腹に膝を叩き込む。
さらにもう一人の肩を掴み、そのまま地面へ叩きつける。
「お前らの女がどうなっても良いのか!!」
女?そんなのつくったことない。けれど、脳裏に思い浮かぶのは1人の女の笑顔。
嫌な予感が背筋を駆け上がった。
俺は目の前の男の腹を蹴り飛ばした。
男は数メートル吹き飛び、地面を転がる。
そして俺は声のした方を見た。
見た瞬間。
呼吸が止まった。