【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
【side 碧】
僕は腕の中で震えている六花をぎゅっと抱きしめながら、翼の次の指示を待っていた。
六花の柔らかな双丘が僕の胸に押し付けられて、オトコとしてなんとも言えない気分になってしまう。
だが、顔色が真っ白で、ただ僕の服の裾を小さく握り締めているだけの六花をみると、どれほど怖い思いをしたのか分かってしまい、胸の奥がずきりと痛んだ。
僕の中では朱雀をもう一回ぶん殴りに行きたい気持ちが全然消えていなかったけれど、今はまず六花を安全な場所へ連れて帰る方が優先だと分かっていたので、必死にその衝動を押さえ込む。
翼は周囲を見回しながら大きな声を上げた。
「ずらかるぞ!!」
その声を聞いた黒龍のメンバー達が一斉に翼へ視線を向ける。
「怪我してるメンバーがいたら倉庫に連れてって手当てしてやれ!!」
翼の声はいつもより低く、そしてよく通った。
「バイクで来てない無傷のやつは今日は大人しく家に帰っとけ!!」
誰一人文句を言わない。
総長の命令だから。
いや、それだけじゃない。
みんな翼を信頼しているからだ。
「悪いが俺も今日は帰るから、倉庫では大地の指示を聞くように!!」
「「うっす!!!」」
夜の路地に大勢の返事が響く。
その直後だった。
あちこちでエンジン音が鳴り始める。
黒龍のメンバー達は慣れた様子で近くに停めてあったバイクへ向かい、怪我人を後ろへ乗せたり肩を貸したりしながら次々に出発の準備を始めた。
数分もしないうちに隊列が形成される。
それはまるで軍隊みたいだった。
先頭から順番にバイクが発進していく。
エンジン音が夜の空気を震わせる。
その光景を見ながら僕はようやく携帯を取り出した。
そして、六花に気付かれないよう少し離れた場所でボディーガードへ電話をかける。
「もしもし。」
『碧様!?』
かなり慌てた声だった。
まあ当然だ。
六花も俺たちもボディーガードにとっては行方不明だろうから。
「大丈夫。」
僕はできるだけ落ち着いた声で言った。
「六花なら見つけたから。」
電話の向こうから安堵したような息遣いが聞こえる。
『本当ですか!?っていうか、なぜ、お手洗いから姿を消していたんですか??』
「うん。」
僕は適当に嘘を考える。
「ちょっとボディーガードなしで自由に祭りを楽しみたくてね。」
もちろん全部嘘だ。
僕たちが黒龍の幹部で、六花がその抗争に巻き込まれてました、なんて説明できるわけがない。
「今から屋敷に戻るから、近くの公園にリムジン回して。」
『承知しました。』
「なるべく急いで。」
『はい。』
通話を切る。
これでとりあえずは何とかなる。
そう思った瞬間だった。
僕は腕の中で震えている六花をぎゅっと抱きしめながら、翼の次の指示を待っていた。
六花の柔らかな双丘が僕の胸に押し付けられて、オトコとしてなんとも言えない気分になってしまう。
だが、顔色が真っ白で、ただ僕の服の裾を小さく握り締めているだけの六花をみると、どれほど怖い思いをしたのか分かってしまい、胸の奥がずきりと痛んだ。
僕の中では朱雀をもう一回ぶん殴りに行きたい気持ちが全然消えていなかったけれど、今はまず六花を安全な場所へ連れて帰る方が優先だと分かっていたので、必死にその衝動を押さえ込む。
翼は周囲を見回しながら大きな声を上げた。
「ずらかるぞ!!」
その声を聞いた黒龍のメンバー達が一斉に翼へ視線を向ける。
「怪我してるメンバーがいたら倉庫に連れてって手当てしてやれ!!」
翼の声はいつもより低く、そしてよく通った。
「バイクで来てない無傷のやつは今日は大人しく家に帰っとけ!!」
誰一人文句を言わない。
総長の命令だから。
いや、それだけじゃない。
みんな翼を信頼しているからだ。
「悪いが俺も今日は帰るから、倉庫では大地の指示を聞くように!!」
「「うっす!!!」」
夜の路地に大勢の返事が響く。
その直後だった。
あちこちでエンジン音が鳴り始める。
黒龍のメンバー達は慣れた様子で近くに停めてあったバイクへ向かい、怪我人を後ろへ乗せたり肩を貸したりしながら次々に出発の準備を始めた。
数分もしないうちに隊列が形成される。
それはまるで軍隊みたいだった。
先頭から順番にバイクが発進していく。
エンジン音が夜の空気を震わせる。
その光景を見ながら僕はようやく携帯を取り出した。
そして、六花に気付かれないよう少し離れた場所でボディーガードへ電話をかける。
「もしもし。」
『碧様!?』
かなり慌てた声だった。
まあ当然だ。
六花も俺たちもボディーガードにとっては行方不明だろうから。
「大丈夫。」
僕はできるだけ落ち着いた声で言った。
「六花なら見つけたから。」
電話の向こうから安堵したような息遣いが聞こえる。
『本当ですか!?っていうか、なぜ、お手洗いから姿を消していたんですか??』
「うん。」
僕は適当に嘘を考える。
「ちょっとボディーガードなしで自由に祭りを楽しみたくてね。」
もちろん全部嘘だ。
僕たちが黒龍の幹部で、六花がその抗争に巻き込まれてました、なんて説明できるわけがない。
「今から屋敷に戻るから、近くの公園にリムジン回して。」
『承知しました。』
「なるべく急いで。」
『はい。』
通話を切る。
これでとりあえずは何とかなる。
そう思った瞬間だった。