財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
彼は続けた。



「そんなんいらねぇから」



胸がぎゅっと痛くなった。



違う。



そうじゃない。



私はそんなつもりじゃなかった。



けれど。



何が違うのか上手く説明できない。



私はその場で固まってしまった。



すると。



後ろから聞き慣れた声がした。



「いいから受け取れって」



蓮様だった。



私は驚いて振り返る。



蓮様はいつもの軽い調子で続ける。



「六花がせっかく言ってるんだから」



大地さんはまだ警戒している。



しかし蓮様は気にしない。



「それに今日は俺らが服もフードも六花に奢るから」



そして肩を竦める。



「六花に現金はいらねぇしな」



私は思わず目を瞬いた。



確かに。



今日のお財布係は道明寺様たちだった。



だから十万円がなくなっても困らない。



そんなことを考えていると。



「いらねぇって言ってんだろ」



大地さんはまだ引かない。



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