【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
そして、次の瞬間。

目の前の光景に目を丸くした。

庭の巨大なプールの周囲には、すでに大勢の男の子たちが集まっていたのだ。

ざっと見ただけでも数十人。

金金金、茶茶、赤、青、オレンジ……etc

人種のサラダボウルならぬ髪色のサラダボウル状態。ほとんどが体格の良い高校生。中学生も何人かいるのかな?

水鉄砲を持っている人。

浮き輪を膨らませている人。

ガーデンチェアに座ってジュースを飲んでいる人。

みんな自由に過ごしている。

けれど、私たちの車が門を通った瞬間。

その場にいた全員の視線が一斉にこちらへ向いた。

「……え?」

私は思わず立ち止まる。

すると、誰かが叫んだ。

「総長来たぞーーー!!」

その瞬間、庭全体が一気に騒がしくなった。

「うおおおお!!」

「翼さんだ!!」

「副総長も来た!!」

「碧さーん!!」

「始まるぞーー!!」

まるで文化祭前のお祭り騒ぎみたいだった。

私はその勢いに圧倒される。

集団が私たちの方に小走りできた、そして、ぴたりと動きを止めた。

「……。」

「……。」

「……。」

妙な沈黙が広がる。

数秒後。

「え?」

誰かが言った。

「え?」

別の誰かも言った。

「えええええええええっ!?」

大絶叫だった。

私はびくっと肩を震わせる。

「な、何?」

何が起きたのか分からない。

けれど、黒龍のメンバーたちは私を見て目を見開いていた。

まるで都市伝説の生物でも発見したみたいな顔で。

そして。

一人の男子が震える声で呟いた。

「総長の女……実在した……。」

その瞬間。

周囲が大爆発した。

「俺は祭りの日に見たぞー!!」

「写真じゃなかったのか!!」

「ていうかめっちゃ美人じゃん!!」

「総長ずりぃ!!」

「副総長も特攻隊長も毎日こんなの見てたのかよ!!」

「羨ましいいいいい!!」

私は完全に固まった。

一方で。

翼くんは盛大に顔をしかめていた。

蓮くんは腹を抱えて笑っていた。

碧くんは得意げだった。

そして私はまだ知らなかった。

この後、黒龍のメンバー全員から質問攻めにされることになるということを。
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