【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
みんなが唖然として私を見ている。 

私も、もう何がなんだかよくわからなくて、けれどとにかく顔が熱くて、滴る血を止めることもせずに固まってしまった。

すると、翼くんが飛ぶように私のところに来て、シルクのハンカチで鼻を抑えてくれた。

大丈夫か?って声をかけてくれて、真っ白なハンカチが鮮血で染まっていくのが見え、ようやく私は正気に戻った。

刹那、翼くんの顔がめちゃくちゃ近くにあることに気づいて……、

また心臓が、

ドッキンドッキン。

いや、ドッキュンドッキュンと激しく鼓動を鳴らし始めた。

なんなのかしら。このピンク色の感情は。

そんなことを考えていると、碧くんが

「ちょっーとまったーー!!翼、六花に近づきすぎ。六花も自分で抑えた方が力加減もわかって良いだろ?」

って言って翼くんを私から引き離し、新しいハンカチをくれた。

すると、不思議と鼻血はすぐに止まって、私はみんなに心配かけたことを謝り、翼くんの

「よーし、もうプール入って良いぞ!浮き輪とビーチボールはこっちで用意したから好きなだけ使ってくれ。あと、ジュースは陽向の父さんが準備してくれたのがここにある。」

と言う言葉で、黒龍のメンバーのみんなは一斉にプールに飛び込んだ。

プールの中でじゃれあっていて、とっても楽しそう。

カナヅチの私は、どんなに浅いプールでも、浮き輪がないと少し怖い。

だから、浮き輪を取りに行こうとしたのだけれど……、

ふいに、翼くんに腕を掴まれた。振り返ると、

「これ、着といて。」

って、ベージュの可愛いパーカーを渡された。

「ぬ、濡れちゃうよ?」

「いや、良い。元々、蓮があまりにも際どいやつ買ってきたら六花に着てもらおうと思ってプール用のを買っといたんだ。」

「ふふ。流石長男。」

「良いからこれ着とけ。あんま見せんな。」

「わかったわ。」

そう言ってパーカーを着たら、何人かの舌打ちが聞こえた気がした。

翼くんも『見せんな』なんて言ってたし、やっぱり私の水着姿なんて目のやりどころがなくて困っちゃうよね……。

きっとモデルさんが水着着てるのをみたら、みんな興奮するだろうし、なんかちょっと悲しくなってきちゃったな。

私もみんなみたいな腹筋つくればちょっとはマシになるのかなぁ。

そんなことを考えているうちに、プールサイドではビーチ(?)バレーが始まっていた。

翼くん、蓮くん、碧くん、あと、さっき紹介された陽向くんたちが参加している。


< 97 / 109 >

この作品をシェア

pagetop