隣の席の太陽くん

第2話「イケメンのお悩み相談?」

「起立、気をつけ、礼!」
クラスの子が号令をかけて今日の授業が終わった。私は背伸びをしながら廊下に出て教室に戻った。
「はぁ~!」
今日はドッと疲れたなぁ。帰って図書館でも行くか。明日明後日と小テストがあるから。
「おい和仁、それはねぇだろう」
「あ?一成こそ、その態度はなんだよ」
ん?何してんの?
体育館裏で、2人の男が言い合いをしていた。目が悪くてよく見えないけど、どっかで見たことあるような.....声もよく聞いたことある。
私は、興味本位で声のする方に行った。
「ふざけんな!!お前はいっつもそうだな!」
「一成にだけは言われたくないね」
一成?一成って、あの一成?学校1モテモテの人だ。
な~んだ。私、あの人好きじゃないんだよね。
「帰ろっと」
私は来た道を戻ろうとした。
「あーちょっと待って!」
「え?」
「和仁!これ、俺の彼女!」
「えっ?」
「は?」
えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!????
ちょちょちょどういうこと!?
「ちょっとどういう———!」
いった!
この男、いま私のかかと踏んだよね!?
「おい一成。どういうことだ?」
「どうって、俺の彼女だから」
「はぁ?見損なったわ」
和仁って奴は、一成の額にデコピンをしてその場を去った。
「ふぅ!危なかった~」
「ちょっと!何すんのよ!?」
「あ、ごめん」
一成は私の肩に乗ってる手を離した。
「彼女って、あんたなんなのよ!?」
「あの、その......」
「2人の喧嘩なのかなんなのかは分からないけど、無関係の私を巻き込むのはやめてよね」
私は落としたスケッチブックを拾って走って教室に戻った。
なんなのあの人。
私のことを、彼女とかって、意味わからない。急に肩触ってきて、正直———


気持ち悪い


「さいあく.....」
今日はとんだ災難だ。私が学校でイッチバン嫌いな男。蛭賀一成。絶対に許さないんだから。





「うっわ。雨じゃん」
ホームルームを終えて下駄箱を出た時、初めて雨が降っていることに気がついた。
急いでバッグの中を見たけど、傘はない。
どうしよう。仕方ないから雨に打たれて帰るか、止むのを待つか。どうしよっかな。


「ねぇ。どうしたの?」


「え?あぁ、あんたか」
「君は....一成の彼女ちゃん?」
この人は、和仁だ。
「彼女?ぜんっぜん!あの人が勝手に言ってただけですよ」
「そうだったの?」
「はい。何があったのかは知りませんけど、私を巻き込むのはやめてください。では」
この人と話すよりも、雨に打たれて帰った方がよっぽどいい。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!」
ピチャピチャと、雨を踏む音がした。
「いやちょっと!君!」
「なに!?」
下駄箱から、傘を差した和仁が走ってきた。
「風邪ひくよ?」
「あー大丈夫大丈夫。私、家近いんで」
「いや待ってよ」
和仁は私の腕を握った。
「ほら、こっち」
「ちょっと!」
私たちは同じ傘の下に入った。
「ほら、こんなに濡れちゃって」
和仁はポケットからハンカチを取り出して、私の制服を拭いた。
「.......」
「ありがとうございます」
「いえいえ。これで大丈夫」
和仁は私の前髪を整えて、スッと立った。
「君、名前は?」
「藤城華子です」
「華子ちゃん。少し、君の時間もらっていいかな?」
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