恋とは、認めません!

恋とは、認め続けます!

あとがき……の前に少しいいですか?
本作は気持ちを伝えられないまま、終わる展開でしたが、実はこうしようかなって考えていたんです。

3月、卒業式当日。
式が終わると、校庭は友達同士で写真を撮る人たちで溢れかえっていた。
美波が他の女子に囲まれている隙を見計らって、私は第二ボタンのないブレザー姿の陸様を、誰もいない旧校舎の裏へと呼び出した。
「望月? どうしたんだよ、急に改まって」
陸様はいつも通り、少しチャラそうに、でも優しい目で私を見つめている。
春の冷たい風が、私たちの間を吹き抜ける。
私の心臓は、あの中1の若狭旅行のときよりも、バレーボールが頭に当たったときよりも、激しく脈打っていた。
「陸様。……ううん、陸くん」 初めて「様」を外して名前を呼ぶと、陸様がハッとしたように目を見開いた。
「私、ずっと嘘をついていました。陸くんのファンだとか、推しだとか言ってたの、全部嘘です」
一歩、陸くんに近づく。
「私、中1の若狭旅行のときから、ずっと陸くんのことが好きでした。チャラいと思ってたのに、委員会で2人きりのとき、いつも優しくしてくれたところも、バスケをやってる時のカッコいい姿も……全部、一人の男の子として大好きでした」
陸くんは何も言わず、ただ真剣な目で私の言葉を聞いている。
「美波が陸くんを好きなのを知って、彼女がいるのを知って、諦めなきゃってずっと思ってた。恋とは認めないって、自分に何百回も嘘をついてきた。でも……もう嘘はつけません」
涙が、ボロボロと溢れて止まらない。視界が滲んで、陸くんの顔が見えなくなる。
「私、陸くんのことが、世界で一番大好きです。……これが、私の本当の気持ちです」
言い切った。私の3年間の全てを、この場所に置いていくように、全部伝えた。
静寂が流れる。 陸くんは、ゆっくりと私に近づき、あの優しい手で、私の涙をそっと拭ってくれた。
でも、その目は――恋ではなかった。申し訳なさと、切なさに満ちた目だった。
「……ありがとう、望月」 陸くんの声が、静かに響く。
「俺さ、お前が俺のこと『陸様』って呼んで、一歩引いたところにいるの、実はちょっと寂しかったんだ。あぁ、俺はただの推しなんだなって。……もし、俺が佐奈に裏切られてボロボロだったあの時、美波じゃなくて、お前がその気持ちを伝えてくれてたら、俺たちの未来は違ったかもしれない」
陸くんは、悲しそうに、でも愛おしそうに私を見つめた。
「でも、今の俺の隣には、美波がいる。あいつが真っ直ぐ俺を愛してくれて、救ってくれたから、今の俺がいるんだ。だから、お前の気持ちには……応えられない。ごめん」
「……っ、ううん! いいの! 謝らないで!」 私は無理やり、思いっきりの笑顔を作った。
「フラれちゃった! でも、ちゃんと伝えられて良かった! バイバイ、陸くん。……美波と、お幸せにね!」
振り返り、私は一歩も振り返らずに走り出した。 校庭の向こうでは、美波が笑顔でこちらを探しているのが見える。
私の初めての恋は、大好きな人に届かないまま、親友の幸せの影に隠れて、ここで終わり。最悪の、悲しいバッドエンド。
でも、走りながら、私は胸を張って涙を拭った。
(恋とは、認めます! 私は、青山陸のことが、本当に、本当に大好きだったよ――)
突き抜けるような青空の下、私の切ない片思いは、静かに幕を閉じた。



どうも、こんにちは! 紫陽花です。
今回も本作をお読みいただき、誠にありがとうございました。
今回も裏側を語りまくりましょう! では、早速ですがいきます。

今回は、私の実話をもとに書きあげました。
ですが、一部というかほぼオリジナルなので、何が実話なのかお話していければなと思います。
ちなみにですが、私は雫のポジションでした!

【実話】
・美波と雫は陸が気になっていた。
・雫とゆきは親友のような存在だった。
・雫と美波は友達だった。
・雫・ゆき・美波は1年2組、陸は1年3組、佐奈は他校。
・雫と陸は同じ委員会。
・中1の若狭旅行。
・雫はギャップに惹かれがち。


私はこのとき、まだ誰にも言えませんでした。
彼女がいる人を好きになった何て、バカにされるしひかれると思っていたんです。
ゆき(実際はゆきじゃないけど)とヒミツを交換するといったのをしたんです。
ゆきからは、当時の好きな人を教えてもらいました。
私は陸のことを話しました。
でも、ゆきはそうなんだね、それは恋だよ!って言ったのです。
私は、ひかないの?って不安そうに聞いたんです。
そんなことない! 絶対に!って言ってくれたんです。
今でも、ゆきは私の親友かな?笑

美波と陸が付き合うのはオリジナルです。
多分、陸と佐奈は別れていなかったはず……。
バレーボールが当たった瞬間、気持ちに気付くなんてありえませんよね。
うん、オリジナルですから安心してください。
私は今でも、恋とは、認めていませんよ。
雫は実際、陸と一言もしゃべれない人でした。
美波もまた、陰で慕っていただけです。
でも、ちょっと変えてみました。


みなさんの恋は絶対に大丈夫。
どんな終わり方をしても、新たな恋が始まるから。
――なーんて、綺麗事で締めくくろうとしていたことを、どうか笑ってください。
あなたに少しでも、笑顔を与えられることを祈ります。
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