君の隣で、私になれた

第25話「安心するから」



ーーー大学3年の夏後半。



大学の就活支援室。

そこに集まるいつもの4人。




「じゃあ面接練習を始めるぞ」

新がノートを閉じる。


「本番だと思って」

「はーい」

紅羽が姿勢を正す。


「まず紅羽から」

「えぇ!?」

「一番うるさいから」

「理不尽!」

笑いが起きる。




ーー紅羽。

「自己PRお願いします」

新が面接官役。

「はい!」

元気よく立つ。

「私は明るさと行動力が強みで──」

最初は順調。


でも。

「えっと……」

止まる。

「……」

「……」

「終わり?」

琉生が笑う。

「終わりじゃない!」

「頭真っ白!」


「はい不採用」

新が即答。

「早いって!」

4人で笑う。


「でも」

私は紅羽に向かって言う。

「話してる時の笑顔すごく良かった」

「ほんと?」

目をキラキラさせて笑う紅羽。

「うん。それだけで印象残ると思う!」

「莉桜優しい……」




ーー新。

「次、新」

琉生が面接官役。

「志望理由を教えてください」

「志望理由は──」

論理的。

無駄がない。

完璧。


「……」

全員黙る。

「終わり?」

新が言う。


「いや」

琉生が少し笑う。

「完璧なんだけど」

「面接っていうより授業」

「え?」

「真面目すぎ」


紅羽も頷く。

「もっと笑って!」

「笑う?」

「うん!」

「難しい」

「そこ頑張れ!」



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