君の隣で、私になれた
湊はその涙を見て初めて深く息を吐く。
「……ごめん。」
そう言って距離を詰める。
今度は。
壊れ物を扱うみたいにそっと抱き寄せる。
「おいで」
私は抵抗しない。
ベッドの上。
そのまま抱き締められる。
「もういい」
「だから泣くな」
私の涙を親指で拭う。
「終活もいっぱい頑張ったもんな」
「内々定も本当におめでとう」
頭をゆっくり撫でる。
「偉かったな」
「……」
「返事は?」
優しい声だった。
「……はい。」
「いい子」
湊の手が私の両頬を優しく包む。
そしてキス。
「もう大丈夫」
抱き締める力が少しだけ強くなる。
「もう怒ってないから」
私は小さく頷いた。
でも。
さっき感じた怖さは。
胸の奥から。
消えなかった。
ーー夜中。
シャワーを浴びて。
服を部屋着に着替えた。
けどそれはすぐに脱がされて。
今はもう下着しかない。
「莉桜」
「……ん」
湊は体に触れながら耳元で囁く。
「俺のこと好き?」
「好きだよ」
「どれくらい?」
「……」
「言って」
「…誰よりも1番好き」
本心だった。
「ほんと?」
「じゃあ証明して」
私は少し戸惑う。
「どうすればいいの……?」
「そのまま動かないで」
髪。
額。
頬。
耳。
「…ん……っ」
上から下へ。
湊の唇が私の体を這っていく。
優しいキス。
「莉桜好きだよ」
「ずっと俺だけ見てて」