君の隣で、私になれた
私は目を見開く。
「本当に?」
湊は苦笑する。
「莉桜を信用する」
「その代わりちゃんと話して」
「嫌なことも、不安も全部。俺にも。」
涙が出た。
今度は嬉しくて。
「……うん」
「ありがとう、湊」
湊が手を伸びる。
私の頭を優しく撫でる。
「ごめんな、今まで」
私はその手をそっと握る。
湊が少しだけ目を見開いた。
「……」
私は小さく笑う。
「私ね。湊のこと…」
「ちゃんと大好きだよ。」
「だからこれからも一緒にいたい」
「ずっと一緒にいたい」
「ちゃんと…恋人として」
湊は何も言わない。
ただ。
少しだけ目を見開いたまま。
私を見つめていた。
私は少しだけ照れながら。
今度は自分から湊へ近付く。
そして。
そっと唇を重ねた。
ほんの一瞬。
触れるだけのキス。
湊はもっと驚いた表情。
「……莉桜」
私は少し笑う。
「今日は…私から」
私を抱き寄せる湊。
「反則」
「そんなの好きになるしかない」
「もう好きでしょ?」
冗談っぽく笑って言う。
湊は優しく笑う。
「そうだな」
次は湊から丁寧で優しいキス。
そして目が合うと自然に2人で笑い合った。
ー…
この日。
初めて。
私は自分の意思で。
“好き”を伝えた。
恋人になって五年。
やっと。
私たちは。
同じ高さで。
向き合えた気がした。