君の隣で、私になれた
ーー披露宴。
新郎新婦が入場する。
会場中が拍手に包まれる。
「わぁ……』
紅羽が思わず声を漏らす。
「綺麗……」
莉桜も目を輝かせる。
新郎が新婦へ微笑む。
その笑顔を見て。
莉桜は笑っていた。
ー…
料理が運ばれてくる。
「やばい。結婚したくなってきた」
目をキラキラさせて言う紅羽。
「単純すぎる」
呆れる新。
「だって!幸せそうじゃん!」
「いいなぁ〜。」
紅羽は新郎新婦を見つめる。
隣では。
莉桜も同じ方向を見ていた。
「……素敵」
小さく呟く。
「結婚っていいなぁ……」
こっちも目がキラキラしている。
「お前もか。」
新が苦笑する。
莉桜は照れ笑い。
「だってなんか憧れる」
「ずっと一緒にいるって…」
「すごく素敵」
紅羽が莉桜の方に身を乗り出す。
「分かる!」
「私も早く結婚したい!」
「お前は相手いないだろ」
新の冷静な突っ込み。
「うるさい!」
笑いが起きる。
紅羽がふと思い出したように。
莉桜を見る。
「そういえばさ、莉桜」
「湊くんとは?」
「え?」
「結婚とか考えたりするの?」
莉桜は少しだけ驚いて。
新郎新婦へ視線を戻した。
「……まだ」
少し笑う。
「考えたことはあるけど…」
「私たちまだ学生だし現実味はないかな」
「でも…いつかは…」
「できたらいいなって思う」
莉桜は少し照れながら笑う。
その一言に。
紅羽の目が更にキラキラ輝く。
「絶対似合う!」
「ウェディングドレス!」
「見たい!結婚式絶対行く!!」
「気早い!」
笑い声。
その横。
俺だけ。
なぜかあまり笑えなかった。
結婚…
莉桜が結婚する。
湊さんと。
……。
なんでだろ。
想像した瞬間。
胸の奥が少しだけざわついた。