君の隣で、私になれた


「うぅ……。」

莉桜の表情が歪む。

「なんか視界がふわふわする」

頬が赤い。

目元も少し潤んでいる。


完全に酔ってる。


紅羽も笑いっぱなしだった。

いつもハイテンションだけど更に。

「楽しーー!!」


「2人とも酔ってるな」

新が呆れたように笑う。

「酔ってない!」

「それ酔ってる奴のセリフ!」

俺も笑う。



バーの店長が笑いながら近付いてくる。

「皆さん仲いいですね。」

「お祝いにどうぞ。」


テキーラが4杯。


「店長最高!!」

紅羽は拍手する。

「いやいや、もうやめとけ」

新が止める。


それでも。

「乾杯!」

3杯目のテキーラを乾杯していた。


ショットグラスを持つ。

俺と新は普通に持ち上げる。

紅羽も迷わず持つ。


莉桜が少し遅れてグラスへ手を伸ばす。



その瞬間。

俺はすっとそのグラスを奪い取った。


「え?」

莉桜が見上げる。


俺はそのまま。

そのテキーラを一気に飲み干した。


「え?私まだ飲めるよ?」

「お前はもうダメ。顔真っ赤。」

「えー……」

莉桜は少し不満そうに笑う。

でもその表情は力が抜けていて。

やっぱり酔ってる。



「お前が飲むのかよ」

新が少し笑って突っ込む。

「でた。」

紅羽が笑う。

「差別!私には飲ませるのに!」

「莉桜だけ守るじゃん!」


「は?だってお前まだ飲めるだろ」

俺は呆れたように笑う。

「飲める!」

「ほら!」

「いやもう飲ませるな」

新が少し笑いながら止める。


紅羽は笑ってふと思い出したように言う。

「でも最近さ。」

「琉生って莉桜にはちょっと甘くない?」

「え?」


「今日もそうじゃん!」

「私には普通に飲ませるのに…」

「莉桜だけ止めるし」


俺は首を傾げる。

紅羽が言ってる意味が分からない。

「そうだっけ?気のせいじゃね?」

「いや、絶対そう!」

紅羽はこっちを指差して笑う。

「前よりなんか違うもん」


その言葉に。

新も少しだけ考えてる様子。


「……まぁ、言われてみれば」

「え?新まで?気のせいだろ!」

笑って返す。


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