君の隣で、私になれた


「…へぇ」

適当に返す。

そんなことより気になることがあった。


「……莉桜は?」

「え?」

「……」

何を聞いてるんだ俺。

…でも止まらなかった。


「莉桜は……どう思った?」

莉桜は少しだけ笑う。

そして、じっと俺を見る。


「かっこいいよ。」

「すごく似合ってる!」


まっすぐ。

照れもなくそう言った。


「……」

俺は一瞬、言葉を失う。

「……ありがとう」

笑って返す。

それだけで精一杯だった。


なんで。

自分から聞いたくせに。


こんな照れてんだ。




「そういえば。」

気を紛らわせるように話題を変える。

「経済のやつらが莉桜のこと探してた」

「え?なんで??」

「一緒に写真撮りたいって」

「教えなかったけど」


「なんで?」

莉桜は不思議そうな顔をする。

「なんとなく?」

「……?」

「てことでみんなに自慢するから」

俺はスマホを取り出す。


「ツーショ撮ろ!」

「え?私と?」

「うん、卒業記念」

少し笑う。


「なにそれ!」

莉桜も笑う。

「いいよ」

その返事は。

あまりにも自然だった。


そういえば今まで。

2人で写真なんて。

撮ったことなかった。



俺は自然に。

莉桜の肩へ腕を回す。


スマホを少し遠ざける。

「莉桜もうちょい寄って」

「このくらい?」

「あと3センチ!」

「細かい!」

莉桜は笑いながら少し近付く。


「撮るよ」


カシャ。


もう一枚。

カシャ。


写真を確認する。

「これいいじゃん」

「見たい!」

莉桜が俺のスマホを覗き込む。



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