君の隣で、私になれた


ーーー清水寺。


夕暮れの清水寺。



「わぁ……。」

思わず立ち止まる。


朱色の三重塔。

京都の街並み。

少しずつオレンジ色に染まる空。



「京都って感じ!」

紅羽が嬉しそうに笑う。

「分かる!」

琉生も笑う。


「写真撮ろー!」

4人並ぶ。

セルフタイマー。

「はい!チーズ!」

カシャ。

「いいじゃん!」

「めっちゃ京都!」

写真を見ながら笑う。



少し歩いて…


清水の舞台。

4人並んで景色を眺める。

風が気持ちいい。


「もうすぐ社会人かぁ」

紅羽がぽつりと呟く。


「そういえば。」

「みんなどうするの?家!」

琉生が答える。

「俺は一旦そのままかなー」

「職場も近いし!」

新が頷く。

「俺も。引っ越し面倒」


「私は引っ越した!」

「この前やっと終わったとこ!」

「そっか!空港近くがいいもんね!」

「うん」


そうだ。

4月から新しい生活。

楽しみだけど少しだけ緊張する。



「紅羽は?いま実家だよね?」

そう聞くと紅羽の顔が少し輝く。

「聞いて!念願の一人暮らし!」

「これで何でもできる!」

嬉しそうに笑う。


その瞬間。

琉生が少し悪そうに笑った。

「何でも?」

「うん!実家だといろいろ難しいし」

琉生はまた笑う。

「男連れ込む気しかないじゃん」

「思った」

新まで頷く。


「失礼!彼氏ほしいだけ!」

「それは彼氏じゃない」

新が即座に否定する。

「セフレかワンナイト」

琉生もすぐに続く。

「ひどっ!」


「莉桜!」

「この失礼な男たちどうにかして!」

紅羽にぎゅっと抱きつかれる。

「ふふっ。」

思わず笑う。

「否定は……できないかも」

「えー!莉桜まで!?」

紅羽が大げさに叫ぶ。

琉生は大笑い。



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